社団法人全日本愛鱗会

泳ぐ宝石 錦鯉

錦鯉講座

初心者のための飼育水豆知識

水面に出る泡

水は絶えず変化しており水面に泡がたつことがある。エアレーションや水の落ち口に発生してすぐにスーッと消えるようだと良いが、石鹸の泡のように壁にくっついてもまだ消えないような泡は飼育水自体の状態が悪い。

その原因として考えられるのは、

  • ① 浄化槽が機能していない。
  • ② 新水の量が足りない。
  • ③ 餌のやりすぎ(色揚げ用餌は泡が出やすい)。

1日の新水量は10%前後。濾材が目詰まりを起こしたり汚泥が留まったりしている場合は掃除が必要。汚泥はすべて排出するが、濾材はバクテリアを流してしまわないようにほどほどに洗う(できれば池水を使用)。

また泡が出ると見た目にも悪いので、すぐに消したい時は食パンを使うと油分の効果で奇麗になる。

何色の水が良いか

飼育水には様々な色があり、池によってまた時期によっても変化をみせる。透明な水、アオコの出た緑色の水、青白い水などなど。いわゆるコナレ水と言われる飼育水が最高だとするとそれはどんな水なのか、ちょっと難しい。昔は新潟でササニゴリという表現があったようで、野池の場合には透き通った水は良くないが、泉水の場合は無色透明に近くて池壁に緑色のササミドロが生え、若干青く見える状態が良いとされる。透明とは言っても、バケツで掬ってみると細かいゴミのような懸濁物が混ざっており、これが生物の住む水。ゴミがまったくない水というのは完全に濾過されているか新水のたれ流しかどちらか。

ほかにこんな表現がある。

「お酒のような琥珀がかった水」「サラサラした感じとは違う、ちょっとドロッとしたイメージ」「やや青っぽくて、黒っぽいような水」「青水のキラッとした感じ」「サヤミドロで青っぽい反射と、若干黒っぽくかつ光沢がある」・・・・・・緑色の信号機の色を青と表現してしまうがごとく、何となく汲み取って、経験で更にうまく言いかえていただきたい。

アオコの水

アオコが湧いた水で飼うほうが紅白などの色ものは仕上がりやすい。しかし毎日の観察、病気をチェックできる鑑賞用の池が大前提であり、錦鯉は基本的に透き通った水で飼育するものなので、アオコは好ましいとはいえない。

アオコの最適水温は25℃程度とされている。新しい池にも発生しやすく、これはセメントがアルカリ性のため、アンモニア濃度が高くなることでおこりやすくなる。

アオコは殺菌灯を使えば用意に解消できる。設置場所は浄化槽の最終槽。紫外線によってアオコが光合成をできなくなってしまうわけだ。また濾過循環がうまくいってないことが考えられるので、池の構造をチェックし水管理を励行することが大切。

池壁に藻が発生したら

池壁に生えるサヤミドロは水の状態の目安として重宝されるが、長~いアオミドロは嫌われる。ある愛鯉家の池に1mくらいの藻がたくさん発生し、佃煮にして売ろうかという話になったそうだ。これまで出なかったものが出たというのは水質の異変があったということで、窒素分が多いことが考えられる。

硬水の井戸水は藻が出やすいようで、手っ取り早いのは曝気することや、軟水機での処理水を池に入れるとか、水道水に切り換えると藻は出にくくなるまた昔から水路に石菖などを植えたりしたが、トマトなど実をつける植物のほうが窒素分をよく吸収すると言われる。

鯉を観察する

水の良し悪しは鯉の状態で判断する。鯉がかたまっていないか?鯉が元気であれば水の状態がいいということで、いつも池に広がって泳いでいることを確かめる。また調子が悪いときには片エラを閉じたりするので、両方のエラをちゃんと動かしているか、そして手ビレの片方を閉じているようなときも調子が悪いと判断できる。そのほか水の落ち口に近寄ったり、体を壁に擦りつける行動は寄生虫やストレスが考えられる。

観察する時は静かに池に近付いて、まず少し離れたところから見て、孤立している鯉がいないか、底に沈んで動かない鯉がいないかを観察する。餌をやった時は元気な鯉につられて調子を崩している鯉を見極められない場合がある。側に近付いても孤立している鯉は完全に病気であり、その場合は手遅れのケースが多いので、早期発見の心掛けが大事。

ある程度の経験を積んだら、鯉の状態が最高の時はどんな水だったかをよく覚えておくことも大切。池はそれぞれ皆違うわけで、どれくらいの餌の量だから何日おきに浄化槽の掃除をするとか、この時期に新水はどれくらいの量がいいとか、そういう勘どころを掴まえたい。

そして何より長い経験を積んだ先輩愛好家とのお付き合いを広げること。よい師匠にめぐり合うことが一番の近道。