社団法人全日本愛鱗会

泳ぐ宝石 錦鯉

飼育ポイント集

(2)   好気性菌と嫌気性菌

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生物濾過のバクテリアには二つのタイプがあります。一つはアンモニアを亜硝酸(NO2)にするタイプ。もう一つが亜硝酸から魚に無害な硝酸(NO3)にするタイプです。

二種類のバクテリアには酸素がとても重要です。従って濾材も酸素が溶け込みやすい構造のものが適しています。濾過槽が汚れてくると濾材が目詰まりして酸素が供給されなくなります。するとこの二種類のバクテリアは死滅して、代わりに酸素が嫌いなバクテリアが繁殖します。酸素が好きなバクテリアを好気性菌、酸素が嫌いなバクテリアを嫌気性菌と言います。

嫌気性菌が増えてくると、炭水化物(CH2)の未消化分が酸化して炭酸ガス(CO2)が発生し、還元されるとメタン(CH4)になります。濾過槽からの異臭の元は汚泥から発生するメタンなのです。このような物質が発生する池では様々な病気(エラ病や穴あき病)が発症します。

好気性バクテリアを増やすために濾材の目詰まりや、沈殿槽の掃除を心掛けて飼育環境を整えましょう。「雨とCODの関係」で述べたようにバクテリアは濾過槽だけに住んでいるわけではなく、池の水中にも存在します。水中のバクテリアはアンモニアを食べてアミノ酸に合成し、このアミノ酸を集めてたんぱく質を作ります。その代表的なものが光合成バクテリアであり、有り難い菌なので掃除で減った分は補充することが望ましいでしょう。

「うちは強制濾過機を使っているので大丈夫」とよく耳にします。私自身も強制濾過機はとても便利でスグレモノだと思っています。しかし万能ではありません。やはり生物濾過とのバランスだと思います。

秋口からの水温の変化と雨降りには注意が必要です。すべての病気は条件性であり、病気の発症には必ず原因があります。「良い水には病気なし」、COD値5ppm以下を目標に飼育に励みましょう。

POINT  市販の光合成細菌にも、好気性と嫌気性があります。

飼育魚病研究部 副部長 平田潤一 (埼玉県支部)

(日鱗誌443号より/転載を禁ず)