飼育ポイント集
(5) 消毒について

消毒の方法にはいろいろなやり方がありますが、一般的には、三種混合(マラカイトグリーン・マゾテン・ホルマリン)やデミリンをを加えた四種混合、過マンガン酸などがポピュラーです。ただこれらの薬品は厚生省が認可した薬品ではありません。なぜ認可していないかというと、厚生省は人間の口に入る食品以外には認可を降ろしません。これらの薬品は毒性も強く発ガン性もあるからであり、現状では黙認している状態です。しかし、これらの薬もあまり乱用すると行政側も黙っていないでしょう。現に新潟ではホルマリンは前面禁止となりました。理由は、薬の入った水が畑や田圃に流れ込んでの汚染が心配だからです。
これらの薬は人体への影響も心配されますので、十分注意し、薬品を素手で触ったり、目や口の中に入らないように手袋やマスクを使用してください。
私は1トンあたり塩7kgとデミリン2g(*2015年5月18日以前の表記が間違っていましので、訂正しています。)で消毒しています。消毒の日数は自然水温で7日間です。当才の場合は水温を25~26℃に上げて四日間消毒します。
消毒のタイミングは、一般的には春先(餌をやり始める)と、冬(餌を止める)に行います。観察によって次のようなときにも行います
・鯉を移動したとき
・鯉が寄ってかたまっている
・壁や底に体を擦り付けている
・魚体が充血している
・病気に罹っている(顕微鏡で観察し、体についているものによって薬を選ぶ)
消毒に塩を使用することをいやがる方も少なくありません。理由は、「ポンプ等の金属が錆びる」、「水が壊れる」と、大きくはこの2つのようです。
飼育水を早く正常に戻すためには、消毒後濾過槽に殺菌灯をつけます。だいたい1日半~3日で水が透明になります。その際、1日の新水量は10%前後です。
次の項では、塩を薬浴に用いる目的についてお話します。
POINT エラ病の疑いのある鯉がいる場合は、過マンガン酸は使用しないでください。
飼育魚病研究部 副部長 平田潤一 (埼玉県支部)
(日鱗誌445号447号より/転載を禁ず)