社団法人全日本愛鱗会

泳ぐ宝石 錦鯉

飼育ポイント集

(7)   越冬について

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一般的には11月下旬から12月上旬、水温が16℃を切ったくらいから餌を止めるようにします。なかには、15℃以下でも低水温用の餌を与えている方も見受けられますが、その時期にその水温で餌を与えても、大きくなりませんし太りもしません。

1月の品評会を見据えてであれば、ボイラーをつけるべきです。12月くらいはまだ良いのですが、1月、2月、3月の水温を何度にするかは、とても大切です。結論から言うと、8~10℃が望ましいと思います。水温が高いと魚が必要以上に痩せてしまします。逆に水温が低いと魚がそこで座り込みをして腹部に床ずれが出来てしまいます。ただし、水質が悪いと14~15℃でも座り込みをします。やはりこの時期もCOD5ppm以下にしてください。


冬場の餌切りは賛否両論で、関東地区研修会でもテーマになったことがあります。その時講師を務めていただいた、アネット錦鯉倶楽部代表で獣医師でもある長谷川先生の話によると、冬場でも消化液を少しずつでも出せるため、水温を15℃くらいにして少量の餌を与えるというわけです。これも一つの方法ですが、コイの健康を考えると餌止めをしたほうが、春先の事故が少ないように思われます。3才80センチだ、85センチだと驚異的な飼育法を雑誌でも目にします。これはプロの極限の飼育法であって、我々アマチュアには到底真似のできないことです。餌を与えることを全否定するわけではありませんが、なぜそれほど急いで大きくしなければならないのか疑問に思います。3才で80センチになっても6才で160センチには当然なりません。それに加温飼育の鯉の寿命は短いのではないでしょうか。これは無理をしているからだと思います。せっかく縁あって出会う鯉とは10年、15年と長くつきあいたいものです。


お勧めする冬場の飼育法は餌止めです。鯉は餌止めによって内臓が強く健康になります。餌止めは鯉の生理上必要と思われます。ずいぶん昔の話になりますが、内臓を痛めた鯉を1年以上餌止めし、一旦ガリガリに痩せさせて健康にした後、全日本チャンピオンを取った実例もあります。

POINT  越冬前に細菌や寄生虫は完全に駆除しておきましょう。一度越冬に入ったら春まで餌を切りましょう。

飼育魚病研究部 副部長 平田潤一 (埼玉県支部)

(日鱗誌445号446号より/転載を禁ず)