社団法人全日本愛鱗会

泳ぐ宝石 錦鯉

飼育ポイント集

(9)   冬越し後の当才(水槽)

b_02.jpg(32635 byte)

秋口から翌春まで当才飼育をすると、鯉もだいぶ大きく成長します。秋口に8~10センチ前後だった鯉が、25~30センチくらいになっているでしょう。

餌は食べるが、いつもより早く餌から離れるような変化がみられれば先手を打ちます。30センチ近くに成長していても、人間で言えばまだまだ赤ちゃんです。鯉の成長に伴い餌の量も増え、月に数回だった濾過槽の掃除が、10日おきになり毎週となってきます。掃除等の決め事をきちんと行っていれば、調子を悪くすることはありません。しかし調子の悪い時に限って手抜きをしたくなります。前日まで調子が良くても、水槽は水量も少ないため、急激に水が壊れます。飼育水の変化は、鯉の変化として現れます。

従って日常の観察により、一歩先を読む飼育が大切だということですが、先を読むと言っても現実にはなかなか難しく、はっきりした変化が現れてから慌てるケースが殆どではないでしょうか。予兆として、前述の餌食いの変化や、ガラス水槽の水面部分に白い線が付いているようであれば、アンモニアが大量に発生しています。こんな時には、


・餌を切ってみる

・濾過槽を洗う

・新水を多めに入れてみる

・水質調整剤を入れる


このような対処方法をとれば水槽内のアンモニアもかなり除去できると思います。また、濾過槽に植物(トマトの苗等)を入れておくと、飼育水の窒素分を吸収してくれるのでアンモニアが溜まりません。


4月の初めごろになって来ると池の水温も上がってくると思います。しかし、まだ水槽から池に放すのは早すぎます。その時期を誤るとそれまで苦労が水の泡です。ではどの時期に池に放すかと言うと、1日の最高水温と最低水温の差が3℃以内になり、平均水温が18℃になってから池に放します。たとえば関東地方では5月のゴールデンウィーク過ぎです。その際、水槽と池の水温を合わせ、3~5日餌止めをします。錦鯉はさまざまなことでストレスを感じます。特に水温の変化と水変わりには強いストレスを感じるのです。1日の水温の変化が3℃以内という理由はそのためです。

POINT  当才魚にとってアンモニアは猛毒です。

飼育魚病研究部 副部長 平田潤一 (埼玉県支部)

(日鱗誌448号より/転載を禁ず)