社団法人全日本愛鱗会

泳ぐ宝石 錦鯉

飼育ポイント集

(11)   春の餌付け (2)

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昔から「春の餌付けは慎重に}と言われることには、餌始めの難しさともう一つ理由があります。それはバクテリアです。

冬場はバクテリアにとっても栄養源が少ないために減少(休眠)し、新陳代謝も衰えています。従って生物浄化能力も下がっています。そこに大量の老廃物が出ると、水質は著しく悪化し、鯉は病気に罹りやすくなります。餌止めによって鯉の内臓は強くなっていますが、その分、免疫力は低下しているので、ちょっとした水質の悪化でもエラ病に罹りやすいので注意してください。餌のやり始めから梅雨明けまでは細心の注意が必要です。特に水質管理と鯉の観察が重要となります。


水質はCOD値を計り、鯉は病気などの異常がないか1尾ずつ診てあげてください。浮き糞が見られる場合は、思い切って餌止めをしましょう。鯉を観察していると、つい餌を与えたくなりますが、この時期の餌やりは、新車の慣らし運転のようなものです。無理は絶対に禁物です。ここで我慢しておけば、夏場の死亡率がグ~ンと下がり、また野池での事故も減ります。

餌をやる時間帯は、ボイラーを付けていれば別ですが、一般的には午前10時前後が望ましいと思います。その理由は、鯉は餌を食べ始めて3~4時間くらいが消化に一番大切な時間帯であり、その消化能力が高い時間帯を一番暖かい時間に合わせることが、事故につながらない最善策ということになります。錦鯉は水温の変化で大きなストレスを受けます。

このような餌付けを6月中旬まで続けると、愛鯉を健康に飼育することができると思います。

POINT  餌を与え始めたら新水を7~10%毎日入れる。春から初夏は水質管理と餌やり我慢。

飼育魚病研究部 副部長 平田潤一 (埼玉県支部)

(日鱗誌448号より/転載を禁ず)